地震、台風、大雨。もしものことはいつ起こるか分かりません。とくに、ご両親と離れて暮らしていると、「いざというとき、すぐに駆けつけられない」「無事を確かめる方法があるだろうか」と不安を感じる方も多いはずです。
もしもの備えは、特別な道具をそろえることよりも、まず「家族で話し合っておくこと」から始まります。連絡の取り方、避難する場所、頼れる人。あらかじめ決めておくだけで、いざというときの安心は大きく変わります。離れて暮らすご両親と、無理なく備えを話し合うための工夫を書きました。
まず、連絡の取り方を決めておく
災害時は、電話がつながりにくくなることがあります。「電話がだめなら、このアプリでメッセージを送る」「それも難しければ、災害用伝言板を使う」と、連絡手段をいくつか家族で確認しておきましょう。やり方を紙に書いて、ご両親の電話のそばに貼っておくと安心です。
ふだんから、メッセージアプリで気軽にやり取りする習慣があると、いざというときも自然に安否を伝え合えます。「無事だよ」のひと言を送り合えるつながりが、もしものときの大きな支えになります。操作に不慣れな場合は、帰省したときに一緒に練習しておくとよいでしょう。
避難する場所を、一緒に確認する
ご両親が住む地域で、どこへ避難すればよいのか。お住まいの市区町村が配布している「ハザードマップ」には、災害の危険がある場所や避難場所が示されています。帰省の折に一緒に確認し、実際に避難場所まで歩いてみると距離や道のりが体で分かります。
避難場所までの道のりに、急な坂や段差がないか、夜でも分かりやすいか。ご本人の足取りに合わせて見ておくと安心です。詳しい情報や最新の注意点は、お住まいの自治体の窓口やホームページで確認できます。地域の防災のしくみは自治体ごとに異なるため、公式の案内を頼りにするのが確実です。
備えの品を、無理なくそろえる
水や食料、懐中電灯、携帯ラジオ、予備の電池。もしものときの備えは、一度に完璧にそろえようとせず少しずつ整えていけば十分です。「今月は水を多めに」「次は電池を」と、買い物のついでに足していくくらいで続きます。
ふだん使っているお薬がある場合は、すぐ持ち出せる場所にまとめておくこと、また何をどれだけ使っているかを家族も把握しておくことが、いざというときに役立ちます。お薬や体調に関わることは、かかりつけのお医者さんや薬局に相談しながら整えると安心です。
大切な情報の在りかを、共有しておく
保険証や通帳、各種の連絡先、大切な書類。もしものときに必要になるものの在りかを信頼できる家族が把握しておくと、いざというときに慌てずにすみます。「何が、どこにあるか」をご本人と一緒に確認しておきましょう。
あらたまって聞き出すのは難しいものですが、「もしものとき、私が困らないように教えておいてほしい」と前向きに伝えると、ご本人も応じてくれます。こうした情報の整理は、「介護希望書」やエンディングノートに書き留めておく内容とも重なります。日々の会話の中で少しずつ確かめていくのがよいでしょう。
「もしも」を話すことが、絆を深める
もしもの備えを話し合うことは、不吉なことでも縁起の悪いことでもありません。むしろ「あなたのことを大切に思っているから、いざというときも守りたい」という気持ちを伝える温かい時間です。
完璧に備えようと気負う必要はありません。連絡の取り方をひとつ決める、避難場所を一緒に見ておく。そんな小さな一歩を、帰省のたびに少しずつ重ねていけば十分です。話し合っておいたという安心そのものが、離れて暮らす日々の心をそっと軽くしてくれます。
もしものときの備えは、ご両親への愛情を形にする営みでもあります。連絡手段、避難場所、備えの品、大切な情報。ひとつずつ家族で確かめておくことが、離れて暮らすご家族にとって何よりの安心になります。地域ごとの詳しい情報は、お住まいの自治体の案内を頼りにしてください。
Norolu は、離れて暮らすご家族が日々つながり、支え合っていくお手伝いを続けています。ふだんの会話のきっかけから、もしもの備えの話まで。家族の対話をこれからもそっと後押しします。